春の里山 西龍王山 建治寺  2022年04月05日  
里山倶楽部四国編 

- 西龍王山 建治寺 イブローザの森 ―

昨日は、あづり越え縦走路で目一杯桜を楽しんだ。

徳島で桜といえば神山森林公園の桜を忘れてはいけない。

久しぶりに建治寺から森林公園の桜を見に行こう。



早咲きの桜はもう青い葉となっている。

ソメイヨシノは真っ盛り。



府中殿遺跡の標柱がある。


入田村阿津真、笠木周辺に府中殿町という集落あり。

其の昔は一の小城ありてその城下なるを以て府中殿町と附したるものならん。

その城主は横田内勝太夫常宗ならんか。

横田内勝太夫常宗にして一家四人あり。粟飯原氏なり。


粟飯原氏の居城があったのか。



国道を外れて農道を行く。

昔の遍路道だったことがよく分かる江戸時代、元文や明和の石碑やお地蔵さん。



天保の常夜灯とお地蔵さん



野中のお地蔵さん



農家の庭の桜が満開。



庚申塔とお地蔵さん



弘法大師像とミニ八十八箇所の仏様。



桜満開の観正寺。



観正寺は、江戸時代初期までは大日寺の奥の院だった。

建治寺は、この観正寺の薬師堂であったとか。

此のお寺には、蜂須賀家政の朝鮮出兵の時に連れて帰ったとされる、朝鮮の女性「お福」の墓がある。

連れて帰った武将の妻となり、88歳までこの地で暮らしたという。

墓には「武市孫助室高麗館女」と刻まれているらしい。

この女性は、地元の人達に愛されて幸せに暮らしたと言われている。

朝鮮出兵の際には、大勢の知識人や身分の高い女性が連れてこられたらしい。



色々な石碑や石仏が有る。



懐かしいスイスクワッドのアンテナ。

40年ほど前に明石に住んでいた時に使用していた。

明石から徳島の先生の家と144MHZで交信したことが有る。



古い石室も有る。



ミニ八十八箇所の石仏が並んでいる。



奥の院建治寺と建治の滝の標識

ホテルかずらが綺麗に咲いている。

シランの蕾が沢山あるがまだ咲いていない。



のんびりと石仏をお参りしながら登って行く。



見上げると山肌が綺麗だ。



車道と山道の分岐。

左へと山道を進む。



ムサシアブミがニョキニョキ



古い民家。

住まなくなってから久しい。



奥の院の石柱と石仏



綺麗に積まれた石垣が続く。

畑が多くあったのだろうか。



だんだん道が荒れてくる。



踏み跡が不明瞭になるが、石仏を頼りに登って行く。



安政3年9月に亡くなった遍路の墓。

秋に亡くなったから秋岸信士の戒名かな?



古い木の鳥居。

建治寺はお寺のはずだか。



完全に道が消えている。

遍路札が頼り。



建治の滝に着く。

巨大な紅簾片岩に流れ落ちる滝。

しかし、水量が少ない。



水量が少なく写真では殆ど写らない。



石段を上がって祠にお参り。



賑やかな声がして女性5人組が登ってきた。

こんな所に来る人もいるんだなあ。



不動明王にお参りしてから石仏の間の岩を登る。



岩を登りきった所は梯子行場。

この梯子を登るのを楽しみにしていた。

所が家内から、ストップがかかった。

「片足立ちも充分出来ないほどバランスが悪くなっているのに、危険を犯す必要はない。」

そう言われれば返す言葉はない。

3年前は二人で登ったのだが。



鎖場に向かったつもりだったが、道が荒れてハッキリしない。

いつの間にか脇道を進んでいた。

鎖道と合流する。



荒れた道を登っていくと、建治寺下の広場に出る。



この広場では護摩供養が行われる。

ショウジョウバカマが咲いている。



お寺なのに狛犬が居る。

神仏習合の名残か。



本堂奥の不動明王の滝



竜王靴に行ってみる。

家内は奥まで行くことが出来たが、私は突っかえて入ることが出来なかった。

這っていけば入れたかもしれない。



建治寺本堂にお参り。



天狗や病魔を退散する力があるという青面金剛などの額がある。



本堂横から西龍王山に向かう。

荒れてわかりにくいところもある。



登りきったらミツバツツジが咲き誇っている。



北の展望台から眺望を楽しむ。



眉山や何時も歩く気延山が正面に見える。

住んでいる団地も見えている。

眉山や津田山そして紀伊水道まで見える。。



家内は早く枝垂れの所に行きたいらしいが、とりあえず頂上を目指す。



結構長い階段を登ると西龍王山到着。



八大龍王社がある。

昔此処にあった龍王社は、蜂須賀家政により徳島城内に移遷された。

明治に廃城になった時、国瑞彦神社に合祀されたが、その後春日神社に豊玉姫神社として移築された。

しかしその豊玉姫神社は、早くも朽ちかけている。

普通、龍王社は雨乞いの神様だが、八大龍王は雨止や洪水の被害を防ぐ神様でもあるらしい。

雨が降り過ぎる台風などの時に拝むといいのかもしれない。



トサミズキとキブシの花



コブシの広場へと降りていく。

コブシの花の下でコーヒーブレイク。



車道に出ると大きなヤマザクラの樹が有る。

見事な枝振りだ。



駐車場に向かうとソメイヨシノの並木。

駐車場脇の枝垂も光り輝いている。



シデコブシと公園のシンボルツリー。



レストランの横には艶やかな曙桜が満開。

曙桜は、ソメイヨシノよりも樹高が低いが、その分視線に近いところに花が咲く。

ソメイヨシノが全国的に寿命を迎えていることから、代替え種として植えられることが多いそうだ。



上の周回路を歩くと満開の桜並木となっている。





階段のところの枝垂れ桜は、なんとも言えないほど見事だ。



此処から車道を串刺しして国道まで降りることができるようだ。

此処の標高が400m程なので、1時間もあれば登り降りすることができるだろう。



食事場所を探して遊歩道を進む。

できれば満開の桜の樹の下で食事をしたい。



広場では大勢の幼児が賑やかに食事をしている。



尾根に出ると鮎喰川の向こうに気延山と高川のゴルフ場。



吉野川の向こうには大山を始めとする阿讃の山並み。



少し高い所に鳥居が有る。

行ってみると龍王神社がある。



この公園で植樹祭が行われた時に建てられたらしい。

昭和63年というからもう35年ほど前になるんだなあ。

桜もその時に植樹されたと思うので、樹齢40年くらいで一番元気なときだと思う。



園内を見渡せるところで昼食。

今年はコンビニで花見弁当を売っていなかった。

おかかタップリの海苔弁当は、まあ美味しいが華やかさに欠ける。



食後、景色を楽しみながら北の展望所に登り返す。

月ノ宮と名東の町



日当たりの良いところには、センボンヤリやヒメハギが咲き誇っている。



ミツバツツジが鮮やかに咲いている。



建治寺まで降りていく。



常夜灯まに寄ってみる。



サンピアゴルフ場の向こうに、私達の住んでいる団地。

その向こうに津田山や新町川の新橋が見えている。

丁度、東九フェリーが入港してきた。

津田の漁師などは、この常夜灯の明かりを頼りにして居たという。

津田の海から、山の奥の建治寺の常夜灯が見えるのかという人がいる。

ここから見る限り津田の沖にも光は届いていたと思われる。



玉姫大明神にお参りして帰途につく。



帰りは車道を降りていく。



焼山寺からの参拝路が上がってきている。



昔は人通りも多かったようだ。

庚申塔がある。



綺麗だなあ。



ムサシアブミが増えてくると朝の分岐に着く。



朝はまだ蕾だったシランの花が開いていた。



帰りに笠木神社に寄る。



地神塔の前に木製の常夜灯が有る。

珍しいなあ。



祭壇の石に丸い窪みが有る。

これは朱をすり潰した跡ではないだろうか。

石井町などで見受けられる丹摺石かもしれない。



笠木神社にお参りする。

本殿の裏には、境内社が数多く祀られている。



古い祠や自然石のものもある。

近くに多くあった祠を集めたのだろう。



これだけ多くの祠が集められているのは珍しい。

この境内社の中の八坂祠は大滝山の八坂神社に移遷されていると言う。



紫雲山西福寺に立ち寄る。



入田が見渡せる境内のお地蔵さん。



また道端のお地蔵さんにご挨拶しながら駐車場に帰る。

今年はいろいろな場所の桜を堪能したが、神山森林公園の桜はピカ一だったなあ。






総歩行距離 13.5km

累計標高差 ±852m

総行動時間 7時間11分




里山倶楽部四国

ホームページにも是非お立ち寄りください